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『表具文化から探る日本のしきたりと和の心』-第Ⅲ.和漢の章(その17)

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針葉樹
 常盤木を和建築の部材として利用するときは、色を付けるなど加飾を施すことは好まれず、素木(白木)のまま使用することが普通です。

 日本人はこの素木を好みます。これは中国文化に決して見られません。そして、一般に常盤木というのは多く松や一位、また日本固有種である杉など針葉樹をさします。

 榊は広葉樹ですが、榊以外のほとんどの広葉樹が寒い時季には落葉します。このことが日本独特の針葉樹崇拝を生んだのかもしれません。

 たとえば床柱には多く針葉樹が用いられます。この床柱における格の高さを材種順にいえば、いずれも常緑針葉樹である松、檜、栂(別名:ツガマツ、ツガノキ)となります。
他に床柱へは黒檀(コクタン)や紫檀(シタン)といった唐木(カラキ)など広葉樹も用いられますが、これらは寺院での用途が中心です。
また、鳥居の材にも檜や杉が用いられます。

 ちなみに、唐木という名称は、奈良時代に遣唐使が唐の文化とともに当時には珍しい木材と木製調度品を日本へ持ち帰り、これらを総称して唐木と呼んだことがその始まりです。

 唐木は当初、3種であったことから唐三木とも呼ばれます。このうち黒い木が黒檀、朱紫色の木が紫檀と名付けられました。
最後の一つが白檀(ビャクダン)であり、これは辺材を除いては白色でありませんが、前二者に比較すれば白いことから、あえてこう呼ぶようになったそうです。

なお、特に三大唐木と称する場合は黒檀、紫檀、鉄刀木をさし、これらは、いずれも常緑樹です。

 唐木は日本では採れない輸入材のため、またその名称からも知れるように唐様で好まれた材です。たとえば唐木は白檀を除き、真言宗など密教系での仏壇に用いられます。
そして、香木である白檀は数珠などの仏具や仏像彫刻材としても利用されてきました。「栴檀は双葉より芳し」というときの栴檀は白檀の異名です。

 中国の軸装では、かつて白檀が軸木に用いられましたが、日本での軸装では三大唐木をその軸先に用います([図-2]参照)。
これの使用も仏教関係の作品、特に禅語を書作品化したもの、つまり唐様作品に使います。
逆に、神道主題の作品へは、軸先に素木地(シラキジ)仕上げの一位材を用いるのが通例です。

 ところで、神道では神様を数えるのに1柱、2柱というように、柱の単位で数えます。これは神が樹木に宿る、あるいは樹木を使って降下する(天降る)と信じられてきたからです。

 ですから、「主」(=神)に木偏を付けた「柱」で神を数えるようになったといいます。そして、考古学の世界でも柱は原始信仰との深い関連が指摘されています。

 床柱もこのような信仰の心性を受けてか、床の間で最も重要視されるインテリア要素とされてきました。
それは床柱が、これをあたかも本尊とするかのように床の中心に据えられることからも知れます。

 先に「ギ(キ)」は男性神を表すとしましたが、神道における神籬(ヒモロギ)の「ギ」は常磐木を表すという説もあるように、日本では常磐木による柱が神霊の依り付くところ、すなわち依代とされます。

 本居宣長は、その古事記研究書『古事記伝』で「伊邪那岐」の「岐(き)」の字を清濁併用と見なしたため、現在も「イザナギ」という読みが浸透しているといいます。そして、イザナギのギは連濁であるといわれます。
つまり、イザナとキを続けて発音することによってイザナギと呼ぶようになったといいます。

 すると、キの付く木名を持つ、榊や蘭、檜、杉などの「キ(ギ)」も、もしかすると男性神を表しているのかもしれません。
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2011年06月30日(Thu)
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